父の膵臓ガンが発覚して、本当によかった。
今は素直にそう思うことがある。
ガンになったことは、本来は決して喜ばしいことではない。
けれど、
ガンに対してしみじみとありがたいなと思うことが増えている。
ガンになって家族の時間が増えた。
僕は1年の半分は海外にいて、日本にいる時でも大阪にいることが多かった。
ここ3年を振り返ると、1年に1週間程度しか実家には帰っていなかった。
姉に関しては、2年前に東京に行ったきり数回しか実家に帰っておらず、
1年に1回会えればいいような状態だった。
1年に1回と考えたらどうだろう。
父は今69歳。たとえ80歳まで生きたとして、
1年に1回では20回しか死ぬまでに会えない計算だ。
ところが父がガンになって、
姉はこの1ヶ月で3度も愛知の実家に帰省し、
さらにヨガの合宿では4日間も同じ時間を過ごした。
1年に1週間しかいなかった僕も、
7月6日に帰省してからまるまる1ヶ月一緒に実家で過ごした。
家族で過ごせる時間、
何気ない時間はきっととても貴重な時間だと思う。
だから、その機会をくれたガンには感謝したい。
家族で海外旅行へ
いつかは連れて行ってあげようと思っていた海外旅行。
父が自営業の仕事をやめて、
母がボランティアの役員をやり遂げて、
両親が時間ができたら連れて行こうと思っていた。
けれど、
父がガンになったことで、
時間には限りがあることを強く意識できた。
そして、行ける時に連れて行こうと思えた。
まずは今月末に家族4人でタイ旅行へ。
そして12月にも家族4人でグアム旅行を
すでに手配してある。
父は必ずガンを治すと思っている。
けれど、
この先どうなるかなんて誰にもわからない。
親孝行をしたい時に親はなし、
だなんていうけれど、
どうせするなら早いところやればいい。
そのきっかけをくれたガンに感謝。
ガンがくれた家族の時間。
僕はガンができる理由を、
何かしらの気づきをくれるためだと思っている。
その一つが、家族の時間を作ってくれるため。
そう思った。
言葉には出さなくても、父はさみしかったんだと思う。
母はボランティアの役員で家にいないことも多く、
僕は海外などを好き勝手に巡り、
姉は東京から帰ってこない。
言葉には出さないけれど、きっと
さみしさを抱えていたんだろう。
ガンは、言葉に出せないその寂しさを代弁してくれた。
おかげで一気に家族の時間が増えた。
加速的に家族の思い出が増えて行く。
家族が一緒に過ごせる時間をくれたガンに、
心からありがとう。
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