熱は37.5度ほどまで下がってきていた。父の顔は老衰していたが、母に言わせれば顔色は良くなってきたらしい。
僕は、40度の熱なんて子供時代にしかなったことがない。
インドで止まらない咳に一週間苦しんでいた時だって、たった38.5度だったのだから、40度の体の辛さなんてもう想像できない。
父が味わった辛さを想えば、熱が下がってくれて良かったと思う。
解熱剤は使わない。あえて自分の力で。
前立腺炎を治すために、抗生剤はもちろん必要。
けれど、
「無理に解熱剤で熱を下げてしまうことはもったいない。」
「熱が上がっている今は、免疫力が上がっているチャンスだ。」
と家族で話をしていた。
入院から丸1日経って、
父の体温は変わらず37.5度。
医師や看護師からは解熱剤の必要の有無を問われたが、
父は「大丈夫」と断ったようだ。
前立線炎は、免疫力をあげるチャンスをくれたのか?
今回の騒動は、
免疫力が弱くなって細菌に冒されて病気になった、
と考えるのが普通だと思う。
でも、前向きに捉えるなら急性前立腺炎はチャンスでありギフトだ。
命の別状もない病気で、熱をあげる機会をくれた。
少し頭がボーっとする程度で、
笑ってテレビを見ていられるぐらいの37.5度。
できるならもう少し、この熱を維持して欲しい。
頑張れ、父。
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