さて、過去に遡って父と膵臓がんの始まりを綴っていこうと思う。
父は5年前に大腸ガンを患い、手術の末に人工肛門を取り付けることで一命を取り留めた。その後、順調に再発もせずに過ごしてきたのだが、念のために定期的に病院で検査を受けていた。
2017年3月、血液検査に異常が出た。
CA19-9という、膵臓がんの発見に関わる腫瘍マーカーだ。
CA19-9という腫瘍マーカー
CA19-9は膵臓がんや大腸がんや胃がん、胆嚢がん、胆管がんなどで高頻度かつ高精度で反応するマーカーだそうだ。良性の疾患が反応することは稀であり、100u/mlを超えることは稀らしい。
CA19-9の基準値は、37u/ml。
父の検査結果は100u/mlを超えていた。
腫瘍マーカーの精度を考えれば、
この時点で精密検査を検討してもよかった。
何かしらのガンの可能性を懸念してもよかった。
にも関わらず、担当医師はこの時、がんに関しては少しも匂わせずに、
「様子を見るために、もう3ヶ月様子を見てみましょう。」
「誤差で次には下がっている可能性もありますので。」
と言ったそうだ。
今思えば、なんて無責任な言葉なんだろう。
父はやや不安になりながらも、何も体に異変は感じていないし、
何かの間違いだと思ったそうだ。
そんなわけはない、そう思いたかったのかもしれない。
僕たち家族も、毎日の生活に追われていて余裕がなく、
この検査結果を深く追求することは無かった。
「ネガティブな感情や不安は、
ネガティブな現実を引き寄せる。」
うちの家族は、
心が現実を作ることを信じている。
だからあえて深く触れなかったとも言える。
3月の時点では、この腫瘍マーカーの名前も、
何が問題になっているのかも知らなかった。
3ヶ月後の腫瘍マーカーCA19-9
医師に指定された約3ヶ月後、再度血液検査をした。
CA19-9の数値は、328。
たった3ヶ月で3倍にまで上昇した。
何も考えず、何の対策もせずに、
いつも通りに過ごしたこの3ヶ月。
もし父が膵臓がんを治せずに、
早期に亡くなってしまうようなことがあれば、
この平和だった最後の3ヶ月を無為に過ごしたことを、
ずっと悔やむことになるのだろう。
もしも3ヶ月前に精密検査をしていたら、、、
もしも3ヶ月前から何か対策を初めていたら、、、と。
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